要点:
以前は、多くの広告主でブラウザGTMを使い、Meta PixelやGA4を実装していました。一般的な広告計測としては、この方法で大きな問題はありませんでした。
しかし、Safariを中心としたITPの強化、Cookie規制、広告ブロッカーの普及により、ブラウザ側で取得できるデータは少しずつ不安定になっていきました。
その結果、広告管理画面に表示されるコンバージョン数と、実際に発生しているコンバージョン数に差が出るようになりました。Meta広告ではEMQスコアが下がり、広告配信の最適化にも影響が出るケースが増えていました。
運用型広告の成果改善において、計測データの品質が下がることは大きな問題です。正しいデータが取れないと、正しい運用施策の判断も不可能になります。CPAが悪化しても、その原因が広告運用なのか、計測の問題なのかを切り分けにくくなります。
また、日本では独自仕様のECカート、チャットボット、アフィリエイト計測サービスなどが多く使われています。そのため、海外製の標準的なテンプレートだけでは対応しきれないケースも少なくありませんでした。
1900filmでは、広告主ごとにサーバーサイドGTM環境を導入し、広告プラットフォームに送るデータの品質を高める取り組みを始めました。
この仕組みにより、Meta CAPI、Yahoo CAPI、Google広告の拡張コンバージョンを安定して運用できるようになりました。特に、日本国内ではYahoo!広告を利用する企業も多いため、Yahoo CAPIに対応できることは大きなメリットです。
実装では、Stapeの複数の機能を組み合わせています。
Stape Storeを使うことで、ファーストパーティデータをより安定して保持できるようになります。これにより、広告プラットフォームへ送るコンバージョンデータの正確性を高めやすくなります。
Cookie Keeperは、Cookieの有効期間を補うために活用しています。特にSafariやモバイルブラウザでは計測が不安定になりやすいため、セッション情報をできるだけ正確に保つうえで役立っています。
Custom Loaderは、タグの読み込みを改善するために導入しています。広告ブロッカーなどの影響を受けにくくし、必要なタグが正しく動作するようにしています。
また、Duplicate Transaction Checker変数を使い、重複コンバージョンが発生しないようにしています。計測精度を高めるうえで、重複排除は非常に重要なポイントです。
当初は、DNS設定、タグ移行、CAPI連携、テストまでを含めると、広告主1社あたり3〜4週間ほどかかっていました。現在では、実装手順を標準化したことで、新規実装は一週間ほどで可能になっています。
サーバーサイドトラッキングを導入するうえで、特に難しかったのは日本国内で使われているサービスとの連携です。
日本のECサイトでは、カートシステム、チャットボット、アフィリエイト計測ツールなど、複数の外部サービスが組み合わさっていることがよくあります。サイトの構成も広告主ごとに異なるため、単純にタグを設置するだけでは必要なデータを取得できないケースがあります。
そのため、dataLayerを個別に設計したり、postMessageを使って外部ツールからイベント情報を受け取ったりする必要がありました。
1900filmでは、こうした複雑な環境にも対応できるように、広告主ごとに計測設計を見直してきました。StapeのサーバーサイドGTM環境を活用することで、標準的な実装では対応しにくいケースにも柔軟に対応できるようになっています。
このようにして、カートサービスではEC Forceやリピスト、チャットボットサービスではBotchanなど、国内の主要なサービスでの実装を多数行ってきました。
こうした経験をもとに開発したのが、独自ASP「track-19DD」です。
track-19DDは、StapeのサーバーサイドGTMインフラを基盤として構築されています。日本国内の広告主や代理店が、より簡単に高品質なサーバーサイドトラッキングを導入できるように設計したサービスです。
現在、track-19DDは日本国内で商業提供されており、1900filmの計測改善ノウハウをプロダクトとして展開する取り組みにつながっています。
サーバーサイドトラッキングを導入する前は、Meta CAPIに送るデータが十分ではなく、EMQスコアが低くなるケースがありました。
EMQスコアが低いと、Meta側でユーザーやコンバージョンを正しく紐づけにくくなります。その結果、広告配信の最適化が不安定になり、CPAが高くなることもありました。
Stapeを活用してサーバーサイドGTM環境を整えた後は、Metaへ送信するデータの品質が大きく改善しました。
すべてのCAPI実装において、MetaのEMQスコアは平均9に到達しました。また、Stape Storeを本格的に導入した広告主では、Meta広告のCPAが2分の1以下にまで改善しました。
広告管理画面上のコンバージョン数と、実際のコンバージョン数のズレも小さくなりました。これにより、広告運用の判断がしやすくなり、広告主へのレポートの信頼性も高まりました。
広告プラットフォームに対して、より正確なコンバージョンデータを送れるようになったことで、Metaの機械学習にも質の高いシグナルが届くようになりました。その結果、広告配信の最適化にも良い影響が出ています。
計測精度を本気で改善したい代理店や広告主にとって、Stapeは非常に重要なインフラです。安定したサーバーサイドGTMホスティング、Store/reStoreによるデータ補完、Cookie Keeperを組み合わせることで、広告成果の改善につながる計測環境を構築できます。今では、ROIをより正確に把握できるようになりました。 — 1900film CEO Takayuki Nakamura
1900filmがStapeを活用している理由は、サーバーサイドGTMを安定して運用できるだけではありません。広告運用の現場で必要になるデータ品質、コスト、拡張性、そして日本市場への対応力が揃っているからです。
Stapeは料金体系がわかりやすく、複数の広告主に導入しても運用コストを抑えやすい点が魅力です。サーバー環境も安定しているため、代理店として多くの案件に展開しやすいと感じています。
また、Stape StoreやCookie Keeperを使うことで、Meta CAPIなどに送るデータの品質を高めやすくなります。Safariやモバイルブラウザのように計測が不安定になりやすい環境でも、より正確なデータを維持しやすくなります。
さらに、国内のECカート、チャットボット、アフィリエイト計測ツールなど、標準的な実装だけでは対応が難しい環境にも柔軟に対応できます。
Stapeは、単なるホスティングサービスではなく、広告計測の基盤として活用できるサービスです。1900filmが独自ASP「track-19DD」を構築できたのも、Stapeのインフラが安定していて、拡張しやすかったからです。
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